Google Data StudioでWebマーケを秒速で可視化する方法

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LPO研究所所長の鎌田です。

「集客媒体別のCVRはどれくらい?」
「平均PV数は上がってる?」
「キャンペーンLPからのCVRはどうなってる?」

上司やチームメンバーからのこのような質問に対して、

「すいません、今パッとでないので後で共有します。」
このような返答をして、データを共有する行為に時間とコストをかけていませんか?

データは「見たいときに見る」から意味があります。
もっと言えば、本当に見るべきデータは「いつでも見えている」状態が理想です。

必要なデータが適切に可視化されていて、チームメンバー全員が「いつでも見えている」状態にあれば上記のような質問はそもそも出てこないのではないでしょうか。

そしてその状態が出来上がっていれば、不要なコミュニケーション時間が削減され、本当に必要な”思考すること”に時間を使えるようになります。

本日はGoogle Data Studioという無料ツールを使って、
Webマーケティング状況を可視化し自社マーケティングを強力に推進する方法をご紹介します。

※この記事ではGoogle Data Studioで「何を可視化するか」に焦点を当てているため、「使い方」には言及しません。詳しい使い方はGoogleからチュートリアル動画が提供されているのでこちらをご参照ください。

目次

  1. データを見える化するとはどういうことか?
  2. 見せたい数字 = 見るべき数字 ではない
  3. 「組織が動く数字」を考え、書き出す
  4. 極限までシンプルに落とし込む
  5. いつでも、誰でも、見れる状態にする

1.データを見える化するとはどういうことか?

これはエクセルで管理されたとある広告集計レポートです。

このデータを見て、どんな情報を得ることができるでしょうか。

エクセルのデータはそれを管理している方や、普段からデータを見ることに慣れ親しんだ方は容易に読み取ることが出来るかもしれませんが、普段そのデータに触れていない人間がパッと見ただけで重要な情報を読み取るのは難しいでしょう。また「レポート」という類のものには、大抵リアルタイム性はなく、週次・月次といったタイミングで提出されるケースがほとんどでしょう。

このような状態が続くと、盲目的にデータを見続けるリスクが極めて高くなります。

原点に振り返って考えてみると、そもそも我々はなぜデータを集めているのでしょうか。

それは、データから情報を得て、施策を考えるためです。

例えばECサイトに蓄積された莫大な購買データは、そこから顧客の購買特性という情報を得るために集められています。自社商品への問い合わせ件数データは、先月のデータと比較することで成長率という情報を得ることができるでしょう。

このように、データを集めることは目的ではなく手段であり、本当の目的はそのデータから情報を得ることです。極論を言うと、集めるだけ集めて必要な情報を取り出せないデータは無価値と言っていいでしょう。

では、どうすればデータから情報を得ることが出来るのでしょうか?

データから情報を得るための一番簡単な手段が可視化すること、つまりビジュアル化してしまうことなのです。データをデータとして放置するのではなく、そこから必要な情報を読み取れる状態にするために、適切な加工をしてあげる必要があるのです。

2.見せたい数字 = 見るべき数字 ではない

ここで一つ考えなければならない点があります。はたしてただデータを可視化すれば良いのでしょうか。

データを可視化するという話になると、大抵は何を見せたいか、何を見たいかという議論になるケースが大半です。

ですが上記のような視点で議論をしても大抵は見せたい、ないし見たい情報が
ただてんこ盛りになっているだけの、数字の羅列に陥るケースが非常に多いです。

人間の脳が一度に処理できる情報量は限られており、見せる情報が多いと、かえって適切な判断は出来ません。

本当に必要な情報をピンポイントで得るためには、可視化する情報を絞る必要があります。

では、可視化するデータの取捨選択は何を基準にして行うべきでしょうか。
この問いに対する私の答えは明確です。それは、

「どんな数字が可視化されていると組織が動き出すのか?」

という1点です。

 

実際に弊社でのWebマーケティング事情を赤裸々にお話ししつつ、事例を交えてお話ししましょう。

弊社ではSimilarWebPROClicktaleOptimizelyYotpoといった複数のWebマーケティングツールを公式パートナーとして取り扱っており、それぞれのツールでWebサイトが存在、ツール別にWebマーケティングが分断してしまっていたという状況でした。

取扱ツールが少ない内は各ツール担当別に情報連携が出来ていたのですが、ツールが増えるにつれて、情報は分断し、マーケティング施策もバラバラな状態に陥っていきました。

このような状況下の中、改めて情報連携して、横断的なマーケティングを実践していこうという話になりました。

ここまではよく聞く話です。

その第一歩として、まずは可視化をしようということでダッシュボード作りに取り組みました。

はじめにGoogle Data Studioを用いて作ったのが以下のようなダッシュボードです。

事業責任者へのヒアリング内容を元に見たい情報を明確にし、セッション数、問い合わせ数などの指標を、デバイス/参照元/新規・リピーターといったセグメント毎に表示することができ、一つのダッシュボードで全て確認出来るようにしました。

ではこのダッシュボードを社内で共有した結果何が起きたでしょうか。

びっくりするほど何も起きませんでした。

結局見たいと言われたデータは、人を動かすには至らなかったのです。
データを可視化しても、それによって組織を動かせなければ意味がありません。

見せたい、見たいデータを網羅的に可視化すれば良いという話ではなかったのです。

3.「組織が動く数字」を考え、紙に書き出す

そこで冒頭に戻り、改めて
「どんな数字が可視化されていると組織が動き出すのか?」

という視点で考え直しました。

弊社は基本BtoBのサービスを営んでおり、CVRが0.1%変わるとかセッション数が1%増えたとかは重要な指標にはなりえません。それよりもとにかく「月何件のリードをWebから獲得するか」が最重要ポイントです。

要はこのデータが「各ツールで常にリアルタイムに見れる状態」を作れば、各担当者が担当者同士で触発され、有機的に動き出すのではと考えました。

ここでいきなりGoogle Data Studioを触ってダッシュボードを作る。ということはせずに、まずはざっくりとこんな数字が常に見えてるといいなというものを、紙に書き出します。

これがその時に書いたメモ書きです。

このように何をどこから引っ張ってくるのかをざっくりと書き出します。
Google Data Studioが1枚に表示出来るサイズを考えると、A4用紙1枚にまとめるイメージが良いです。
ダッシュボードというのは触れば触るほどいろんなものを出したくなってしまうのが常です。
「あれもあった方がいいな病」にかかり、あれよあれよと情報を付け足していくうちに、本当に伝えたい情報が埋もれてしまうことは陥ってしまいがちな罠です。
PCに触る前にアナログで本質的に見せたいことを整理しておくことで、無駄なものを排除しておくことができます。

紙に書き出すことでダッシュボードを作成するための下地が出来上がりましたので、実際にダッシュボードに落とし込んで見ましょう。

4.極限までシンプルに落とし込む

先程の下書きを元に、実際にダッシュボード作成に入ります。
実際に作成したダッシュボードがコレです。(数字はあまりに生々しいので一部モザイク処理がかかっております。)

事前にイメージしていたので実際に作成する時間は30分程度でした。

表示する情報を「Webからのリード獲得件数」と「コンバージョン率」に絞ったシンプルなダッシュボードです。表示する情報を絞っている分、一目見ただけで重要な情報を理解できるようになっています。

このダッシュボードを作成する上で意識したポイントが2つあります。

(1)シンプルに

ダッシュボードは毎日見ることで効果を最大限に発揮することができます。
毎日見るものが大量の情報にあふれているとどうなるでしょうか?ほぼ100%見なくなります。

人間は情報を処理するかどうかを3秒で判断すると言われていますが、3秒見て理解できないようなダッシュボードはまず定着化しません。

どうしても複数の情報を見せたいのであれば、ページを分割するなどの工夫をして、一つのページに含まれる情報を減らすことが大切です。

(2)比較対象を持つ

数字というのは対比させることで輝きを増します。

弊社の場合は目標との対比、及び昨月との対比を持たせることで理想とのギャップや成長度合いを可視化しています。

軸となる数字がなければその数字を判断することは出来ません。
これは企業によって様々で

  • 昨年対比
  • デバイス対比
  • セグメント対比
  • 競合対比

など課題や商材によって様々ですが、ただ数字を並べるよりも効果が倍増します。

ダッシュボードが出来上がったら、この2つのポイントを意識して、
「3秒で理解できるほどシンプルか?」「適切な比較対象が示されているか?」と繰り返し自問自答することで、質を高めていきましょう。

5.いつでも、誰でも、見れる状態にする

ダッシュボードを作ったら満足して終わりではありません。
製作したダッシュボードは即座に関係者全員に共有しましょう。

そして常に見える場所に置いてもらいましょう。私はブラウザを立ち上げると必ずこのダッシュボードのタブが開くように設定しています。また以下の様に、スタッフの見える位置にモニターを配置し、常に写しておくのも効果的です。

 

情報は必要なときに、必要な人に対して、見える状態であることに意味があり、だからこそ組織が動くわけです。
データを可視化したら、それを見てもらうための工夫をしましょう。

例えば会社の企業ポータルのTOPに埋め込むなどの手段は有効でしょう。

 

ここで一点だけ、チームで共有する上で注意した点があります。

それは”個人”にフォーカスしないという点です。

例えば各営業パーソンの売上数字を可視化するといったことです。この行為はマネジメントレベルでいうと必須ですが、共有しいつでも見れる状態にするという観点からは危険です。

会社の考え方にもよりますが、個にフォーカスすればするほど、チームで課題を解決するという意識が薄れる危険性があります。

ダッシュボードの価値は状況を認識し共有することで会社・チームの叡智を集められる点にあります。あくまでもチームでの成果に着目することをオススメします。

 

ダッシュボードが共有され、目標値と現在の進捗が常に見える状態にあれば、自然とやる気も出ますよね。

ともすると非常に焦ることになるかもしれません。

しかし、現状マズイ状態にあることに気付かずにいるよりも、少しでも早く危機的状況に気付き、今打てる手を打っていくことができれば結果は大きく異なるものになるはずです。

常に現状を正しく認識しておこうと徹底することは、結果を出す組織を創る第一歩です。
もしまだ初めてないならば、始めるタイミングは今この瞬間です。

まとめ

見るべき指標をチームメンバー全員が「いつでも見えている」状態が作れれば、
不要な情報共有に時間を割く必要も無くなり、成果を上げるために本当に必要な作業に時間を当てることができるようになります。

多くの会社はデータを見れないのではなく、見るのがめんどくさい状況なだけです。

探せばデータにアクセスできるのに、探す時間が惜しい。だからこそ担当者にデータの開示を求める。担当者は割り込みのタスクに対応するので生産性が落ちる。このような負のサイクルに陥っていませんか?

Google Data Studioは無料でありながら、非常にスピーディーに可視化を実現してくれます。他のBIツールと比べると機能的には劣る面もありますが、だからこそシンプルにまとめるには適しているとも言えます。

弊社でもこのダッシュボードをメンバーで共有してからというもの、全員が現状の数値を共有しているためにコミュニケーションが驚くほどスムーズになりました。

必要なデータを可視化してスマートに情報を共有することで、爆速でPDCAを回すための土台を作りましょう。

一度この作業をしておくだけで、驚くほど無駄な時間を削ってくれるはずです。

それではまた次回。

公開日:2017年08月30日

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